Event of Halloween




色々な大きさのジャックオーランタンが部屋に並べられ、華やかに飾り付けられた部屋からは安らかな寝息が響き渡っていた。
ダンテはビリヤード台の上に丸くなって。
レディとトリッシュは窓際に置かれたソファーで。
それぞれ夢の国へ誘われていた。
『みんな…風邪引くよ』
三人に毛布を掛けながら何となく微笑ましくてはクスリと笑う。
みんなで料理を食べてお酒を飲んでワイワイ騒いで……。
ハロウィンパーティーは楽しかった。
でも……。
でも本当は淋しかった。
パーティーには彼がいなかったから。
大好きな彼が―――――バージルがいない。
急な依頼で出掛けてしまい未だ帰って来なかった。
キッチンのテーブルに並べられた一人分のパーティー料理。
ダンテらとは別にこっそりと用意した特別な料理。
少しでも楽しいハロウィンの雰囲気を味わって欲しいと用意した。

―――――待ち人未だ現れず。

はそれらを眺めながら、いつしか深い眠りに落ちていった。



10月31日。PM11:30。
『すっかり遅くなってしまったな』
入口のドアを開け足を踏み入れようとしたバージルは、その光景に一瞬固まった。
部屋を彩る大小様々なジャックオーランタン。
床に無造作に転がった瓶や空き缶類。
食べ散らかしのテーブル。
ビリヤード台の上で毛布に包まれたダンテ。
窓際に置かれたソファーで眠るレディとトリッシュ。
まさに祭の後だ。
バージルは溜息を一つつくと足音を殺して二階に上がった。
?』
キッチンを覗くと、テーブルの上で眠っているの姿を見つけた。
『…』
スヤスヤと寝息を立てているの姿に、バージルの口元が綻ぶ。

帰る場所のある喜び。
待っている人のいる喜び。

バージルは深く心にかみしめていた。
『そう言えば今日はハロウィンだったな』
そう呟いて不意にバージルの悪戯心が騒ぎ出す。

“Trick or Treat.”
お菓子くれなきゃ悪戯するぞ?

眠っているの耳元でそっと囁いてみる。
『……』
バージルの囁きは宙に消え、返事の代わりに帰って来るのはの寝息。気持ち良さそうに眠っている。
『…返事がないから、いたずらするぞ…』
幸せそうなの寝顔を見つめながらバージルは優しく微笑むと、の頬にそっと口付けた。

――――来年は二人でハロウィンを過ごせますように。



“HAPPY Halloween!”






御礼

「judgment night」様にて、ハロウィンの夢がフリー配布されておりましたので、すかさずお持ち帰りさせていただいちゃいました!

バージルならどんな悪戯されても許します!許しますとも!!(*´∀`*)
あの声で「Trick or Treat.」なんて言われたら、とろけてしまいますね…!

ナーナ様、素敵な夢をどうもありがとうございましたー♪