そんな日もあるって




 『う〜〜〜〜ん』

 とさっきからうねり声を繰り返す

 双子も

 「あちゃ〜」とダンテ

 「…」と無言のバージル

 今朝、は双子に買い物を頼んだのだ

 だが、例の如く買い物先のショッピングモールへ行く途中

 大喧嘩………

 『どうしょっかこれ…?』と

 ダンテが買ってきた物は、

 苺2パック・コーンフレーク・バニラアイス・小麦粉・チーズ

 ピーマン・生ハム・マッシュルームやトマトジュース等々

 ダンテの好きなメニューの材料


 対してバージルは、から預かったメモどおり

 今夜の夕食のメニューの材料

 『ありがと!バージル!』とはバージルに声を掛ける

 すると、バージルが

 「のメモどおり買ってきただけだ……愚弟と違ってな」と

 ダンテを一睨みし、ダンテは

 「うるせぇ」と一言

 『夕飯作ったら呼ぶから、二人は好きな事して待っててね』と

 バージルは、ソファに座り読書を始める

 一方ダンテは、いつもどおりデスクに足を乗せて座っていたが、

 ふと、何を思ったのかキッチンへ向かう






 —キッチン

 『あれ?どうしたの?ダンテ』と声をかけると

 「買い物すまねぇ、夕食作るの手伝う」

 『今晩はね、和風ハンバーグとミネストローネと

 シーザーサラダだよv』と言うとダンテは

 「(怒ってねぇんだな…)」と内心思いつつ安心した

 『これ、大根おろしてくれるかな?』とに手渡されたのは、

 皮を綺麗にむかれた大根と、大根おろし機

 シャカシャカと大根をおろしてるダンテを見て

 微笑む

 はハンバーグを既に焼いていて

 ダンテはの手際の良さに感心した

 「これくらいで好いか?」と聞くダンテに、

 『うん!ありがと!じゃぁさ、サラダ作ってもらえるかな?

 レタスを小口切りに手で破って、赤レタスとかはこっちに切っておいてあるから

 クルトンとベーコンチップスは冷蔵庫の中、ドレッシングもね!』と言い、

 もうスープは出来ていて、ハンバーグは残り一枚焼くだけの状態

 ダンテが一生懸命夢中にサラダを作っているのを見て、

 はこっそりバージルにおいでおいでと手招きをすると、

 逸れに気付いたバージルは、ブックマークを指し、キッチンへ向かい

 覗いてみると、愚弟が一生懸命サラダを作っているではないか

 の方を見ると、

 『(買い物の事、怒らないであげてねv)』と優しい微笑みと瞳で訴えている

 ソファに戻り読書を始めたバージルに

 『夕飯出来たよ〜』と優しいの声に再度ブックマークを指し

 テーブルの方へ移動する

 テーブルに並べられたものは、ミネストローネ・

 ハンバーグの上にしその葉が乗り、更に大根おろしで作ったおろしだれ

 そして、ダンテが一生懸命作ったシーザーサラダ

 『じゃぁ、いただきますっv』とが言うと、恒例になった双子も

 「いただきます」「いただきます」と揃えて夕飯を食す






 『ねぇ、バージル、紅茶?コーヒー?どっちにする』と声を掛けると

 「紅茶」と返ってきたので

 『了解v』とキッチンで何やらしているであろう

 今ダンテはシャワーだ

 は、昼の買出しに買ってきたダンテの材料を使い

 ダンテの好物、ストロベリーサンデーを作っていたのだ






 ダンテがシャワーから出てくると、先にバージルに、

 『紅茶淹れたよvvv』と運ぶ

 それを見ていたダンテは、にタオルを取られて髪を優しく拭いてくれる

 拭き終わったらしく、タオルを持ってバスルームにある洗濯籠に入れに行った後、

 はたたたたっと小走りにキッチンへ戻り

 『はいっ!ストロベリーサンデーだよvvv』とにっこりダンテに手渡す

 「oh,mysweet!!!!!」と声を上げ、ダンテはに一口スプーンにすくい

 に差し向ける…『(俗に言う「あーん」ですか)』と思いつつ一口パクリ

 「Sweet!!Baby!!!!!!!!」と今度はを抱きしめた

 それを見たバージルは愛刀である閻魔刀を柄から抜き出そうとしているではないか!?

 ダンテは慌ててストロベリーサンデーを食べる

 『美味しい?』と聞くと

 「何処の店のより、が作ったのが美味い!!!!!」とふとバージルに視線だけ向けると

 愛刀はおさめられていた

 はまたキッチンに戻り、自分の分のストロベリーサンデーを持ってきた

 ソファーに座り、バージルの向いで食べだしたので、ダンテは自分の

 ストロベリーサンデーを持ち、ゴツゴツとブーツの音を鳴らしながら、

 の隣に座った。


 『あ!』と声を上げ、ティーポットをバージルの前に置く

 『冷めないうちに飲んでね』と言っては自分のストロベリーサンデーを見たら、


 ………

 ……………

 …………………………

 『ダンテッ!私の少し食べたでしょ!!!』とが声を上げると

 ダンテと取っ組み合いの喧嘩を始める

 それを見ていたバージルは、

 「愚弟に愚妹か…」と額に手を乗せ呟き、(もう暫く様子を見てが泣きそうになったら

 止めに入るか…) 


 『食べ物の恨みは凄いんだからねーーーーー!!!!!』と叫ぶ




 その後、1週間、特製ストロベリーサンデーは食べられず、ダンテはへこみ

 そんな二人を見て笑を堪えるバージル




 そんな日もあるって






御礼

『Night Rainbow.[夜虹]』の班目さまから頂きました。
双子兄+妹設定は、やっぱり美味しいですよね(*´ω`*)
おいしいごはんとおいしい関係……ごちそうさまです!!

班目さま、本当にどうもありがとうございました!

2011.5.23