街はうっすらと雪化粧されている。
今年は無事にホワイトクリスマス。
ちらちらと粉砂糖のようにあたたかく降り続ける雪。
通りを歩くこどももおとなも街路樹までも、皆しあわせそうだ。
聖なるかな。
そして──昨年まではイベントごとなど全く関係のなかったこの家にも、今年は賑やかなクリスマスがやってきた。



Dream and Cream




バージルとが住む家。
まだ時刻は昼過ぎで、リビングには自分一人しかいない。
見上げた時計はまだ午後3時。パーティーが始まるまでには時間がたっぷりとある。
何かするにしても落ち着かない。……暇だ。
テレビでも見ようかとリモコンを探して視線を移したテーブルの上には、今宵のパーティーに用意されたものなのか、ボトルのワインがどんと置かれている。
いかにも高級そうなそのラベル。
「これは……」
興味深そうにボトルを手にしたのは、

バージルだ。
だ。